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猫の膵炎

冬は、猫の毛がさらにもこもこ&まん丸くなって可愛さが倍増する季節ですよね。

最近当院で2例続けて「膵炎」の猫がいましたので、ちょっと猫の膵炎についてお話します。

「膵炎?なに?」と思う方も、「膵炎!あの猛烈に痛いと聞く病気!!」と思う方もいらっしゃると思います。そうそう、膵臓に炎症がおこる病気=膵炎です。

膵臓は胃の裏側にある臓器で、膵液という消化酵素を含む液体を消化管に送りこむ外分泌という仕事と、インスリンやグルカゴンなど血糖値をコントロールするホルモンを生成し分泌する仕事(内分泌)という2枚看板でお仕事をしている重要な臓器。

膵炎はこの膵臓になんらかの炎症が生じた状態をいい、自分が分泌している消化酵素により炎症が悪化してしまう病気です。

人では膵炎は嘔吐や腹痛がひどいと聞きますが、猫ちゃんは意外や意外、結構「コレ!」という症状を出しません。なので、見落とされやすい、発見が遅れてしまう病気です。

猫の膵炎の症状は、食欲不振、慢性嘔吐、痩せていく、下痢をする。。などが挙げられますが、これらの症状すべてが表れるのではなく、食欲不振だけ、嘔吐だけ、という症状1つだけの場合も多く、中には症状はまったくなく「なぜか痩せていく、、、」というパターンもあります。

今までは診断も難しかった病気ですが、今では外部への委託検査で猫膵特異的リパーゼという酵素を測定することで診断ができるようになりました。

また、この病気は慢性経過をたどることが多く、食欲不振が続き長患いした猫の場合には命とりになる病気です。

膵炎の治療法は、症状を緩和する支持療法と低脂肪の食事療法です。

これが特効薬です!という治療法がないだけあって、早めの対処が必要です。

 

吐き気が続く、、毛玉だろうな。

食欲がない、、、たまにはこういうときもあるわ。

そうです、そういうときもあります。

でも、「ちょっと続くな、おかしいかな?」と思ったら、安心するためにも病院で見てもらいましょう。

たいてい90%の場合が「問題なさそうですね」と言われてホッと一安心。残りの10%が検査対象、そのうち数%くらいが膵炎って確率だと思います。

膵炎とは、そういう隠れ病。

病院は病気を治療するところでもありますが、「大丈夫ですよ」と安心をもらうところでもあります。

小さな動物の小さなサイン。サインが3回点滅したら、病院で安心をもらってくださいね。

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